毒魚 オニダルマオコゼ
こんばんは、タロです!
コロナウイルスなかなか収まらないですね
マスクの効果があるとかないとか色々聞きますがとりあえず人混み避けていたら大丈夫だろうなと思っております
最近はずっと糸を切られて逃げられたレディフィッシュを狙っていたんだけど
ふと思い出した
(あれ、ここ水質悪いしそもそもレディフィッシュは美味しいって聞かないな)
食べないのに釣ってどうする?と
今日は早々にレディフィッシュ狙いをするやる気を失いいつもより早めに帰宅した
1投目で釣れたミナミマゴチ
淡白な美味しい魚だけど生活排水で濁ったここの魚は食べたくない
石垣島の海のほとんど綺麗なんだけど市街地付近はどうしても水質が悪い
つい最近まで排水の設備が悪かったらしく基本的に海へ垂れ流しだったと聞いた
今ではほとんどの家や施設が排水工事をし直したのでこれから水質が良くなっていくことを願いたい
早々に帰宅した僕はベッドでだらだらしながらふと潮見表を見た
すると23:40に20cmまで潮が引くらしい
休みの日は仕事の日よりも疲れることが多かったので今日は早めに寝ようかなと思っていたけどやっぱり体がうずうずしてきた
よし、イザリに行こう
イザリというのは沖縄や奄美地方の伝統の漁法で簡単に言うと夜にする潮干狩りのような感じだ
イザリで獲れる獲物は主にシガヤーと呼ばれるタコや貝類、エビなどらしい
他には夜は寝ている昼行性の魚を捕まえたりもできるらしい
初めての僕でもなにか取れるのだろうか
たのしみだ
夜22時ごろ、支度を済ませた僕は水の澄んだリーフに向かった
このポイントは岩や珊瑚、砂地そろっておりいろいろな生物が潜んでいそうだ
まずは僕の中での大本命のタコを探す
早速発見!
さすが石垣島ポテンシャルだ
小型だし珊瑚に隠れていたので見つけるのがとても難しかった
せっかく獲れた一匹目、美味しく頂くことにしよう
次の獲物を探して膝下ほどの夜の海を徘徊する
夜中だしただの変質者だなこれ笑
1m以上あるウツボを発見
ウツボは顔つきがかわいいので結構好きだけどこのサイズはさすがに怖い
昼間はボラが泳いでいるところしか見たことないポイントだったけど夜になると色々な生き物がいて楽しい
かわいいハリセンボン
方言ではアバサーと呼ばれる
汁物や唐揚げにするととても美味しい
大きな青いヒトデ
このアオヒトデを見ると自分、今沖縄にいるんだなーと思う笑
何かわからない大きなイモガイ?
正体不明だからリリース
イモガイ類にはアンボイナガイなどの危険種もいるので正体がはっきりしない場合は触らないほうが吉
珊瑚も綺麗だ
昼間のシュノーケルで見るサンゴ礁もいいけど夜はまた別の幻想的な感じの雰囲気
そこらじゅうで寝ているアイゴにちょっかいをかけてみる
熟睡しているようで網で救われてもしばらく動かなかった
小さいうちは美味しく食べられるらしいけど大型は臭みが強くなりあまり美味しくはないらしい
あとは鰭の毒に要注意だ
タコを探しながら沖まで歩いて行く
今日は風が弱いので水中がよく見える
足元には大量のナマコがいるけど見えるから踏まずにすむ
ナマコを間違って踏んでしまうとネバネバの内臓を吹き出すから苦手だ
魚に狙われた時に吹き出したその内臓を食べさせて本体はその間に逃げるとかなんとか…とにかく気持ち悪い笑
沖の岩場にできたタイドプールを見て回る
不自然な場所に ”目” の付いた岩が沈んでいる
はっ!!
この生き物は!!
沖縄の危険生物第一位ともいえるオニダルマオコゼだ!
沖を言っても岸からせいぜい100mほどの場所にこんな猛毒の危ない魚がいるなんて…
イザリに1人で行くのは本当に危険なことなんだな
僕は運が良かったのとオニダルマオコゼがいるかも知れないという覚悟をしていたおかげで踏む前に発見できた
食べたことのない魚への好奇心が湧いてくる
いつか見たブログではとても美味しいと書いてあった
どう捕まえる?タモ網しか持っていないけどこの網に入るだろうか
獲れたとしてナイフ一本でなんとかなるのだろうか
しかしここはタイドプール
あの大きさの魚が隠れるような場所もない
確実に獲れるはずだ
網をそっと魚に背後に入れ一気にすくいにかける!
あれ、全然逃げないぞ…
あっさり網に中へ
めちゃ重量感がすごい
なんていうかボヨンボヨンしてる
ぼよよんと陸地へ
獲れた!
悪そうな顔つきで「俺は危ないぜ」という声が聞こえてきそうだ
試しにタモ網の柄で背鰭を突いてみると白い液体が吹き出した
これが毒液か
まじで危ないぞ、この魚
ほとんど動かないけどもし持ち帰る途中に暴れられでもしたらひとたまりもない
安全に持ち帰るにはまずは締めなければならない
元気な状態にナイフを突き刺したらきっと暴れるだろう
まずは気絶されることにしよう
残酷だけどタモの柄で頭を叩き気絶させた
北海道のサケ釣りなどでもこの気絶させる方法を使う
サケも歯が鋭く暴れられたら危ないからだ
魚が気絶しているうちにナイフで頭を突く
脳天に穴を開けて確実に締める
オニダルマオコゼの体表には苔のようなものが生えており苦いような磯の匂いがする
洗って取れるようなレベルじゃないので皮も剥ぐことにしよう
問題は危険な背びれだ
これをどう取るか
バーナーなどがあれば無毒化できるらしいけど今はそんなもの持ってないない
オニダルマオコゼの毒はタンパク毒で加熱することによって毒じゃなくなるらしい
今回はナイフとハサミで切り取ることにする
効果があるかはわからないが持っていたターボライターで背びれの先っぽだけ炙っておいた
慎重に刃を入れ背びれを切り取りやすくする
そしてあらわになった背びれをハサミで切断していく
少しグロいけど締めて毒のある背びれを取り安全な状態になった
背びれ以外のひれには毒針はないらしい
それにしてもでかいな
寮のキッチンはすごく狭いので頭とワタは取ってから持ち帰ることに
骨の構造がすごく特殊で捌くのにすごく時間がかかった
この美味しそうなアラで出汁をとってみよう
身はプリプリとしていて見るからに美味そうな白身だ
本日のメニューは
・オニダルマオコゼの唐揚げ
・オニダルマオコゼのお刺身
・オニダルマオコゼの鍋
この3品を作ろうと思う
まずはオニダルマオコゼの唐揚げ
オニダルマオコゼの身を(生姜、ニンニク、醤油、酒、みりん)に揉み込み片栗粉をつけて揚げる
鶏もも肉のような繊維感がある
でもどこか違う独特の食感があってコラーゲン沢山入っていそうだ
旨味も強くてかなり美味しかった
これは2日間、密封し冷蔵庫で寝かせた刺身
タンパク質の毒だから火を通せば無毒化するんだけど生なのでもしこの身に毒が付着していたとしても無毒化できていないのだ
包丁もまな板も何度も洗いながら慎重に捌いたので大丈夫だとは思うけどやっぱり怖い
でも旨味がすごく強くて噛めば噛むほど美味しく幸せになれる好きな刺身だった
獲れたてそのままも食感がもっと良さそうだし、もしくは1日寝かせるぐらいがちょうどいいかもと思った
今回のは身の水分が落ちすぎてちょっとパサついてしまったのが反省点
これがアラから出汁を取ったオニダルマオコゼ鍋
こっちには下処理した胃袋と肝も入れた
あとはついでに捕れたハマエビとタコも
まずカマと生姜、白ネギを水と酒で煮込んでいき、灰汁をこまめに引いた
カマもネギもトロトロになってきたら胃袋と肝を入れる
弱火でぐつぐつと火を通していきオコゼの身とハマエビ、タコを入れる
醤油で味を整えて完成
身は想像していた通りフワフワで上品な淡白
カマはコラーゲンたっぷりでまるですっぽんのエンペラのような感じですごく美味い
胃は魚とは思えない弾力感、ホルモンな感じでこれまた美味い
肝はすごくクリーミーで美味しいんだけど鼻血が出そうなほど濃厚だったので少し食べたら満足してしまった
まとめ
捕まえる大変さとリスクと捌くのが難しい
味はすごく美味しいし実際に超高級魚なので見逃すのはもったいないけど
1人じゃ捕って食べはしないかも
なにかパーティーでもあればぜひとも捕まえて振る舞いたいところだ
沢山いる魚ではないと思うので探して獲れる魚じゃないと思うけど実際に僕は海岸から100mほどの場所で捕獲したので決して珍しい魚でもないと思います
本当に猛毒の危険な魚なのでもし見つけた時はどうするか慎重に決めてくださいね